【イスラエル・パレスチナ自治区】聖地,民族問題・・・ベツレヘム&ヘブロンへ 2020.2.19
今日はエルサレムから離れパレスチナ自治区にあるベツレヘム,ヘブロンという町へ!
パレスチナは古くから人が住み数千年歴史を持つまちがたくさんあり
今日行くところも旧約聖書に登場するレベル。
まずはベツレヘムへ。
旧市街ダマスカス門近くのバスターミナルから231番バスに乗ります。
10時ごろ行くとちょうど出発で料金7シュケル(220円)
チェックポイントがあると聞いてましたが全然なし。
この辺りは小高い山や丘が連なる地形。
40分ほどでベツレヘムに到着。
ベツレヘムにはキリスト教に関わる重要なスポットがあるのでそこに向けて歩きます。
パレスチナというのは昔からニュースとかでよく耳にする名前。
ユダヤ人国家であるイスラエルがアラブ人の土地であるパレスチナを占領
反抗されると"世界最大の監獄"とも呼ばれるガザ地区のように武力で押さえつけたり
ヨルダン川西岸地区のようにユダヤ人をどんどん入植させて既成事実を作ろうとしたり
中々イスラエルが悪者のように描かれることか多いわけですが
歴史を知って嘆きの壁を訪れると
「ユダヤ人が他の民族と共存したくない」
「自分たちだけで暮らしたい」
という気持ちからそういう行動に出ているのかな
と少し違った見方ができます。
もちろん非人道的なやり方は論外だと思いますが。
ということで
パレスチナはアラブ人が暮らしているので町の雰囲気はエルサレムとは違います。
通貨はシュケルが使えますが言葉もヘブライ語ではなくアラビア語。
そして一番のスポットはここ。
イエスが生まれた場所に立つ聖誕教会。
クリスチャンなら絶対に訪れたいであろうイエスゆかりのスポットが続々登場します。
昨日の聖墳墓教会もそうでしたが外観はあまり派手じゃないんですね。
これは十字軍が周囲の攻撃から守るために要塞化したもので
この教会に至っては入口も「謙虚のドア」と呼ばれ屈まないと入れないくらい小さなもの。
そのドアをくぐると沢山のランプが吊り下がった教会らしい内装。
床のモザイク画も見事です。
が,なんと正面部分は修繕中なのか幕で覆われていました。。
そしてイエスが生まれたとされるのはこの教会の地下洞窟。
今も地下に下りれば「ここでイエスが生まれた」という聖誕の場所があるらしいんですが
なかなかの大行列でかなり待たないと見れなさそうだったのでそこは諦めました。
この地下をイエスが生まれた場所としたのはローマのコンスタンティヌス帝の母ヘレナで
彼女は今の聖墳墓教会の場所でイエスの十字架を発見したことでも知られています。
十字架を見つけたというのはまだ分かるんですが
生まれた場所というのがどうやって分かったんだろう。。
その聖誕協会の横にはもう一つ,聖カトリーナ教会という教会があります。
そして正面入口には立派な像が。
これはヒエロニムスという聖書学者の像で
彼の翻訳書はカトリックの公認聖書となり,それによってキリスト教が世界中に広まったと言われているので
彼の功績がどれだけすごいかってことですよね。
教会の中は聖誕教会よりもさらにシンプルな造り。
ちょうど地元の学生?若者たちが集まって聖歌の合唱タイムが始まり
もうすぐミサだからということで異教徒は退室。
一瞬でも見られて良かった。
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次は直接宗教というよりパレスチナ問題に触れるところですが
ここベツレヘムには,イスラエルが「パレスチナからのテロ攻撃やテロリストの侵入を防止する」名目で作った巨大な壁があります。
そして
そこにメッセージ性のあるアートが描かれているらしいのです。
有名なのはバンクシーという人物が描いた作品の数。
ベツレヘム中心部からは距離があって起伏の激しい地形。
ここはタクシーを使います。
ここのドライバーたちは中々ふっかけてきて100シュケル(3200円)とか言ってきますが
そんなんじゃ行かない!と25シュケル(800円)まで下げて連れて行ってもらいます。
そして壁に到着。
壁にはユーモアを交えたり,著名人を用いたりしながら,パレスチナの自由,解放を謳う絵が多く描かれています。
とここで,一番有名なバンクシーの作品はかなり離れたところにある
ということが判明。
ところが,そこに行くには追加で2倍の料金だと言われたので
カチンと来てやめました。
もっと調べて交渉すべきだったんだけど
ドライバーも当然ながらこういうの説明してくれないんだよな。。
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さて,気を取り直して
今日はもう一つの目的地・ヘブロンへ向かいます。
ベツレヘムから南に25kmほどの町。
大通りから乗合バンで向かいます。
なぜか車体のデザインが派手。
料金は6シュケル(190円)
1時間ちょっとでヘブロン中心部に到着。
実は結構大きなまちみたいでビルが立ち並んで人通りも多い。
通りがかりのサンドイッチ屋でケバブサンドをゲット。
こんなに具材モリモリでなんと3シュケル(100円)
聞いたかイスラエル!これだよこれ!!笑
ヘブロンも歴史が古い町で少し歩くと旧市街があります。
なかなか綺麗に整備されていて観光地っぽいのであまり惹かれませんでしたが
ここの目的はアブラハム・モスク。
ここはユダヤ教,イスラム教の預言者アブラハムの墓があるモスク。
本当どこに行っても聖地としてのコンテンツ力が半端なさすぎる。。
このモスクが興味深いのはパレスチナ(イスラム教)とイスラエル(ユダヤ教)で分割管理していること。
最初に入場ゲートで1人ずつ検査があります。
宗教を聞かれ仏教徒である日本人は顔パスでしたが
ムスリムはチェックがめちゃくちゃ厳しそうでした。
ユダヤ側
さっそくアブラハムのお墓!がチラ見できます。
お墓の前で熱心に教典を読む人々。
そばの小部屋でも熱心に教典を読み祈りを捧げる人々姿が。
その背後でイスラムのアザーン(祈りを呼びかける放送)が流れているのも印象的でした。
そしてイスラム側
こんな階段を登っていきます。
入口には当然アラビア語
こちらからもアブラハムのお墓が見られるようになっていますが
こっちはアラビア語がベースなので表記がIbrahimイブラヒムになっています。
そしてユダヤ側より視覚的によく見える。
中の造りもユダヤ側より豪華!!
中央にはアブラハムの息子イサクとその妻レベッカのお墓があります。
扉1枚隔てて向こうはユダヤ側。
モスクを2つの宗教で分割管理なんて世界中探してもここしかないんじゃないか・・・?
旧約聖書の頃から仲が悪かったというユダヤ人とアラブ人にとってはこの形はベストなのかもしれません。
帰り際。
モスクの入口近くの広間では子どもたちが元気に遊んでいました。
2宗教の一大聖地も子どもたちにとっては遊び場。
暮らしの中に宗教が溶け込んでいる感じもまた長い歴史を持つこの土地ならではなのかも。
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雨が強くなってきたので急ぎ足で帰路へ
アブラハムモスクでたまたま同じ宿の日本人2人と出会ったので一緒に帰りましたが
ヘブロンのまちを歩いているとそこかしこで
「コロナ!コロナ!」
と明らかに馬鹿にした言い方で叫ばれます。
主に地元のヤンキーみたいなやつらですが
エルサレムでは起きなかったこと。
これは個々人の問題じゃなくて
時間も遅かったからか
ベツレヘムまではなぜか行きと同じ乗合バンが見つからず
高めのシェアタクシー10シュケル(320円)に。
宿へは20時ごろに帰って来れました。