【インド・アムリトサル①】黄金寺院と国境セレモニー 2019.8.24
巡礼宿で迎える朝。
この宿は立地が超抜群で
宿の扉を開けて2秒で黄金寺院が見えます。
てことで宿で居合わせた旅人のおのぎさんと一緒に見に行ってみます!
宿から黄金寺院に向かって。
もう見えちゃってますね。
寺院に入る前に靴を脱いで足を清めます。
そして,シク教では髪の毛を人に見せてはいけないので頭を布で隠します。
「インド人」と聞いてターバンを巻いた姿を想像する人も多いと思いますが
それはシク教徒の慣習。
でもシク教徒はインドの人口のわずか2.7%しかいません。
それなのにターバン姿が有名なのは
シク教徒はグローバルに活躍する優秀な人材が多いため
世界各国でシク教徒の姿が認知されたという説があります。
とはいえ
インド国内の人口比率で見ればかなり少ないですが
人口で見れば2000万人以上の信者がいて
世界で5番目に人口の多い宗教らしいです。
そして寺院の入口を抜けると
黄金寺院!!!
実際に見てみるとすごい伝わってくるんですが
この寺院の「金色」は本当に美しいです。
寺院のまわりには正方形の「不死の池」が広がっていて
その周囲を歩けるようになっています。
取り囲む建物もかなり華やかなデザインです。
池には鯉がいます。
エサやりして鯉が口をパクパクさせてるおなじみの光景も見かけます。
シク教徒は勇猛果敢で戦闘にも優れた才能があって
自ら首を切って手に持っているのはその勇猛果敢な様子を表しているんだとか。
まわりを見渡してもたしかにシク教徒はガタイが良い人が多いんです。
黄金寺院は池の真ん中にあってそこにむかって1本道が伸びています。
せっかく来たので寺院の中へ。
朝はまだ人が少ないと聞いてたけどすごい行列。
全世界のシク教徒にとっての総本山だからそれもそうか。
でも例えばイスラム教だと一番の聖地メッカにはイスラム教徒しか入れないし
外国人を寺院のすぐそばに無料で泊めてあげたり
他宗教にも寛容なのはシク教の特徴かもしれないですねー。
並んでるときに隣にいた男の子。
すごく綺麗な目をしていて思わず写真を撮らせてもらいました。
シク教徒は優しい表情をした人が多いです。
写真は撮れなかったですが
寺院には巨大な「聖典」が置かれていて
その奥には教祖のような風貌の人が座っていました。
聖典のすぐそばまで僕らのような外国人が行けるのはすごい。
寺院を出るとちょっとしたお菓子がもらえます。
あんこみたいな食感で味はなんと表現したらいいのか難しいですが
甘くて美味しい。
そしてシク教徒の寛容さをもっとも感じるのがここ。
Langar Gharという食堂。
なんとここは
すべての人に24時間無料の食事が提供され続ける施設!
しかもここの運営は全て
シク教徒の寄付とボランティア
で成り立ってるらしい。
すごすぎる・・・
入口で食器を受け取り大きな広間へ。
1階と2階があり空いている方へ案内されます。
一列に座り食器を置いているとボランティアの人たちが配膳に来てくれます。
実はこの「ひとつの場所でみんな並んで座って一緒に食べる」というのが重要なポイントで
シク教は元々ヒンドゥー教とイスラム教を批判的に融合した宗教といわれています。
「人類みな平等」の考え方に立っているので
身分や性別,階級に関係なく全ての人が同じ目線で行動を共にするというのを体現しているのがこの食堂らしいです。
日によって味付けが少しづつ変わりますが
カレーとチャパティとキール(お米とミルクの甘いお粥のようなもの)が基本で
おかわり自由。
ちなみにチャパティは両手で受け取るのがマナーのようです。
正直見た目は質素であんまり美味しそうじゃないんですが(失礼)
これ美味しいんです!!!
もうおかわり自由に甘えてチャパティ6枚食べました笑
食べ終わったら食器洗いの人たちのところへ食器を持っていきます。
バケツリレーのように食器を渡していき
大人数で一気に洗う。
洗い終わったら大きなカートへ。
これがまた食堂入口へ渡ります。
ここは食器の音と威勢のいい声がガンガン響いてて圧巻。
食器洗いだけじゃなくて肝心の食材部隊も。
ここはチャパティづくり。
この人たち焼くのめちゃめちゃ早いです。
野菜部隊。
これら全てボランティアで24時間続いているんだからほんとすごい。
これもシク教の考え方で
来世に救いを求めるのではなく
「世俗の職業に就いて一所懸命励む」ことが良いとされているので
みんなボランティアしたくてボランティアの順番待ちになってるところもありました。
なんて素晴らしい考え方。
もうシク教に改宗したいですね。
そんなシク教徒のあるおじさまと話していたとき
日本人と分かると
「日本人は素晴らしい!勤勉でよく働くよね!」
と称賛の声をいただき
現在住所不定・無職の私は身が引き締まる思いでした。苦笑
満腹になって食堂のそばを歩いていると
なんと5ルピーでペプシが飲める店が!
しっかりコーラです。
こっちはコカ・コーラの看板ですが
6ルピーでスプライトが飲めます。
ネスカフェのお店もあってホットコーヒー10ルピーから。
生きるのに困っても
アムリトサルに来たら飢え死にすることはなさそうです。
店のそばで見つけたペットボトル再利用した植栽。
上から水かけると下の方まで伝っていくんですね。
オシャレでエコでめっちゃ良い!
そして黄金寺院のすぐ近くにはJALLIANWALA BAGHという庭園があります。
ここには
イギリスの植民地時代の1919年
植民地支配に反対する集会をしていたインド人をイギリス軍が無差別に銃撃し
1500名以上の死者を出した「アムリトサルの大虐殺」の慰霊碑があります。
「人類の歴史は戦いの歴史」と言われることもありますが
同じ人間同士が殺し合う,まして無抵抗の人に牙を剥く人間の狂気は本当に恐ろしい。
人類が自らの歴史から学ぶべきことは多いです。
その後はアムリトサルのまちをふらふら。
黄金寺院へ向かう道は綺麗に整備されていてデザインも統一されています。
大きな門や
巨大な像
博物館
マックもこの風景の一部に溶け込んでます。
ですが
一歩メイン通りを外れて路地に入ればそこは自分の知ってるインド。
こっちがアムリトサルの日常なんでしょうね。
「アムリトサルへ行ったらラッシーを飲め!」
と電車の中でアムリトサル出身の人に言われたのでラッシー屋さんへ。
アムリトサルらしさがなんなのか聞くのを忘れたのもあって
普通のラッシーと何が違うのかは正直分からなかったですが笑
30ルピーで並々入って濃厚で美味しいです^^
アムリトサルには牛がいないなぁ・・・と思っていたら
まちなかに牛がたくさん飼われているところがありました。
ここには外から食べ物を持ってきて牛にあげる人がひっきりなしに来ていました。
ヒンドゥー教だと牛は聖なる生き物ですがシク教はどうなんだろう。
大事にされているのはヒシヒシと伝わってきました。
アムリトサルはカメラを持って歩くとめっちゃ楽しくて
明るいアムリトサルピーポーが「写真撮って!」と声かけてくれます。
仕事中でもカメラのために動きを止めてくれます。笑
車を撮ろうとしても中からしっかりカメラ目線。笑
土産屋のおねーちゃんもポージング。
後ろのお母さま(?)の目線が気になる笑
水を買うだけでも写真をリクエスト。笑
まちぶらして時刻は15時前。
ここでアムリトサルのもう一つの大きな見どころ
国境セレモニー
を見に行きます!!
そのバチバチの国同士が守るワガ国境でお互いの国旗を降ろすフラッグセレモニーが
お祭り騒ぎでめちゃくちゃすごいらしい!! !
てことで国境へ向かいます。
アムリトサル中心部からワガ国境までは30km以上あるので公共交通で移動。
ローカルバスでも行けるらしいんですが
まちの中心からシェアリキシャで往復してくれるツアーがあって
寺院のまわりでめっちゃ客引きしてます。
話を聞いてると大体13~15時くらいの間に出発するみたいで
料金はお昼ごろに聞いたら往復150ルピーでしたが
15時前には100ルピーに下がってました笑
セレモニーは18時(冬季は17時)からなので
あんまり早めに行かなくてもいいなということで15時発を予約。
料金先払いでドライバーの連絡先を書いた領収みたいなのをもらえます。
直前だったので5分くらいそばで待ってたら他の客も集められてトゥクトゥクへ。
この普通のトゥクトゥクですが
12人詰め込まれました。
狭い,きつい,,,
ただアムリトサルの中心部を抜けてしまえば国境まで直線の広い道路なのでまだ耐えられます。
1時間半ほどで国境付近のインド側のまちアターリーに到着。
(ワガというのはパキスタン側のまちの名前。なぜかインド側でもワガ国境と言う)
シェアリキシャで一緒になったやたらテンションの高いインド人3人衆。
持ち込み禁止アイテム。
銃とか爆弾とかあからさまにいかんやろ!ていうものも描いてある笑
本当はそのままメイン道路を直進で国境なんですが
セレモニーの場所へ行くには一回右手に折れて
手荷物・身体検査を受ける必要があります。
ここで外国人はパスポートチェックを受けろと言われて並んで待ってたけど
明らかに職員が足りてなくてインド人客の相手でいっぱいいっぱい。
早めに着いたなーと思ってたけどここで1時間近く待って結局開始直前になりました。
インド側国境ゲート。
ここまで国境ぽい国境は世界中でもここだけじゃないかという造り。
そしてこの中がセレモニーの会場なんですが
もはやスタジアム!!!
国境の道を囲むように客席がつくられています。
国旗柄のキャップ被ったり
横断幕出てきてウェーブしたり
ワールドカップなの??てくらいのお祭り感!!
まだセレモニーの前なんですけどね。
一般客がインド版EDMに合わせて狂喜乱舞してます。
反対側を見ると
インド・パキスタンの門と国旗
奥にはパキスタン側の会場があります。
全体的にパキスタンは規模もパフォーマンスも控えめで
なんとなくインドにやらされてる感があります。笑
基本この司会の人が喋り観客を煽りまくります。
最初は国旗を掲げた部隊が登場し
頭にとさかっぽい装飾をつけた部隊が出てきて
この人たちがメインでパフォーマンスします。
音楽に合わせて門まで行進してきて
順番に国境の門の方へ歩いていって
相手に動きを見せつけながら門のそばに整列します。
足を大きくあげて振り下ろす動きが特徴的で
観客のボルテージもアップ!
兵士もテンションあがってきてドヤ!
パキスタン側もパフォーマンスしてるんですが
こっちはどことなく大人しめに見える。
インドには悪いけどこっちの方が品があるなぁ。
そして最後に国旗を降ろします。
ここまでで20分以上かかってます。笑
国旗を降ろしたら持って帰り
残った兵士たちも門を離れていって
一気に門がガシャーンと閉められます。
ここでふと我に帰って思う。
そういえばインドとパキスタン仲悪かったんだ。
そんなこと忘れさせるくらいお互いが協調してやってる感じがして
毎日一緒にこんなセレモニーやっていて
一方でバチバチなんて
本当に不思議な関係だなと思いました。
これは本当に世界でもここでしか見られないと思うし
両国の歴史や関係性も知ってから見に行くとかなり興味深くて一見の価値ありです!
そしてまたシェアリキシャでアムリトサルへ戻ります。
お調子者3人組がほんとにフレンドリーで写真大好き。
アムリトサルに戻ってきたら写真を撮ってくれ,いや撮らせろと勝手に撮影会
まぁいいんだけどね
なんなんですかね
このかっこつけ方
まちの雰囲気はいいですねー
そしてなんなんでしょうね笑
僕らも顔の角度まで指示されて撮られました。
ブレブレやんけ!笑
知らんやつ出て来たし笑
ほんとにアムリトサルの人は人懐っこくてもれなく写真好きで
夜遅くまで楽しませてもらいました。笑