【中国~パキスタン】ナショナルデーに振り回される苦難のフンジュラブ国境越え 2019.9.30
今日は国境が開く週明け月曜日。
ということでパキスタンへ向けて国境越えです!
国境越えの流れは
①8:30にバスターミナルへ行ってタシュクルガン~ススト(パキスタン側国境のまち)までのバスチケットを買う。(当日のみ販売)
②宿をチェックアウトし中国側イミグレに行って出国手続き
③タシュクルガン~スストへバス移動
④スストのパキスタン側イミグレで入国手続き
宿の掲示板にも情報があったし
ひと通り調べているので大丈夫!
と思ってたんですが一つ大きな問題が。
実は明日10月1日は中国建国70周年のナショナルデーで
明日から1週間国境が閉鎖するので
今日のバスは乗客が殺到してチケットが取れないかもしれないとのこと。
とはいえそれだけなら今日行ってしまえば問題ないわけですが
明日からしばらく国境が閉まることにより
今日バスがパキスタンに向かうとそのバスが中国に戻って来ることができなくなるので
「今日中国側からのバスは出ないかもしれない」
という。
え?それはまずい。
実質移動手段がなくなって詰むじゃん。
やばいやばい。
とにかくこればっかりは行ってみないと分からないということで
同じくパキスタンに行くアメリカ人たちと8:30にバスターミナルへ。
もう行列できてるーやばいーと思ってたら
これはカシュガル行きの人たちらしくひと安心。
ただやはりバスが出ない可能性もあるっぽくて
今日で中国ビザの期限が切れるというパキスタン青年はめちゃめちゃ焦ってる。
で30分ほど待ったところで職員から
「ノーバス!ノーバス!」
と悲劇的な通知が。
やばい。やばすぎる。
次に国境が開くのは1週間後。
するとここで一縷の望みが。
「スストからタシュクルガンに来るパキスタンのバスを捕まえて料金交渉して乗せて行ってもらう」
方法があると判明。
パキスタンのバスは中国側イミグレに到着するので
とりあえずチケットはないけど出国手続きを済ませてパキスタンバスを待とう。
ということになり荷物をまとめてイミグレへ。
中国の出国審査は入国の時と違って拍子抜けするくらい緩く
荷物検査は簡易的
質疑もなく他の国と同じように審査レーンに並んでスタンプもらって終了。
が,ここからが本当の戦い。
イミグレを通過して建物の外に出ると駐車場のような広場があって
通常時ならここからススト行きのバスに乗り込むらしい。
が今日はバスがないので
みんなパキスタンからのバスを待つ。
ここから状況は目まぐるしく変化していきます。
まず
「パキスタンのバスはミニバンみたいなやつで定員10人くらいのが2台だけ」
ここには軽く100人くらい待っている人がいる。
早いもの勝ちなのでこの時点で戦争必至。
でしばらく待つと目当てのミニバンが到着!
みんな一斉にダッシュ!!!
するも
なんと
中国人のグループが前日にパキスタンのバス会社に電話予約していて
ミニバンは予約の中国人で満席に。
なんじゃそりゃーーーー!!!
用意周到な中国人がいたもんだ。。。
そして事前情報どおりもう1台くるもこっちも事前予約中国人で終了。
イミグレの職員に尋ねても
「この後はもうバスは来ない」
お,おわった,,,
しかしここで最後の一手が。
「パキスタンへ向かうトラックが30台来るから直接ドライバーに交渉して乗せてもらう」
もうなんでもアリだな。
最後は力技ですが何が何でも行くしかない。
しばらくして続々とトラックが到着!
運転手に話しかけていきますが
既にパキスタン人の予約が入っている運転手ばかり。
よく見ているとどのトラックに誰を乗せるか仕切っているパキスタン人が何人かいる様子。
トラック運転手とのパイプがあるのか。
それなら彼らに頼めばいけるかも。
と思ったけど何やら高額な運賃設定で揉めてる場面も。
そういうことかー。
それならもう自力で行くしかない!
とはいえパキスタン人が出ていかないと埒が開かないので長期戦は必至。
てことで他の中国人に便乗して出前を頼んでもらい食します。
チャーハンとラム肉に水付きで20元(300円)
めちゃ美味かった。。
その後も砂ぼこり立ち込める何もない広場で粘り続け
イミグレを通過してから5時間後
パキスタン人が軒並み立ち去った午後4時すぎ
ついに乗せてくれるトラックが見つかり出発!!!
この黄色のトラック。
バックパックはフロントの隙間へ。笑
運転手のおっちゃんと22歳の青年ムニルとの旅路。
2人はパキスタンと中国を行き来し主に中国製品の輸入ビジネスをしてるようで
ムニルは中国語ペラペラ。
タシュクルガンを出たトラックは荒野の中を突き抜ける1本道をひたすら進みます。
タジク族の住居や
ラクダたち
だれも住んでいないところにバス停だけがぽつり
監視カメラは顕在
とにかく景色が雄大。
このタシュクルガン~スストの国境はフンジュラブという峠にあり
「車が通行できる世界一高所にある国境」
ということで国境に差し掛かる峠付近はひたすら上り。
いつ製造されたか分からないボロトラック(運ちゃんごめん笑)は
歩いた方が早いんじゃないかというスピードでゆっくり上り
途中でエンジンが熱くなりすぎてペットの水ぶっかけて冷やしたり笑
普通にバスで行くよりもローカルのトラック運ちゃんの仕事を体験できたみたいでこれはこれで面白い。
そしてフンジュラブ峠の手前で中国の税関によるトラックの積み荷検査。
バックパックと同じようにコンテナを開けて中を見ていくのかとうんざりしかけたけど
ここはさすがに技術を導入していて外からスキャンする機械でサクッと済ませていました。
良かった・・・
そしてついに
標高4655m,フンジュラブ峠到達!!!
ここから先はパキスタン。
ちなみにパキスタン側には「世界一高所にあるATM」があります。
ちゃんと稼働するのか怖いので使いませんが。苦笑
今度は下り坂でスムーズに行くかと思いきや
何重ものヘアピンカーブやヤクの群れに行く手を阻まれ
気付けばすっかり真っ暗。
結局タシュクルガン出発から7時間後
現地時間の20時にスストのパキスタン側イミグレに到着。
助かったのはパキスタンの時刻は中国-3時間でまだ深夜になっていなかったこと。
イミグレは簡素なつくりで職員もみんな私服で誰が職員なのか分からない。
「ウェルカムトゥパキスターン!」
と温かく迎えてくれて
「両替もできるよ?」
と元からパキスタンルピーへの両替も可。
1元=22ルピーくらいのところ
1元=21.5ルピーで両替してくれました。
「困ったことがあったら言ってきなさい」
とどこまでも優しいイミグレのおっちゃん。
入国審査も
「パキスタンでの滞在場所は?」
と聞かれ
「ホテルなんですけどまだ予約してなくてこれから探します」
とよろしくない回答をしてしまっても
「んー分かった。スストなら大体***だな」
と適当にホテルを書いてくれて終了。
荷物検査のおっちゃんも
「酒は好きか?バッグの中に入ってないか?」
とニヤニヤしながら聞いてきて
「ないですよー」
と答えると
OK!とろくに中も見ずに終了。
中国とのギャップが激しすぎてもはや思考が追いつかない。笑
入国審査が済むとトラックで一緒だったムニルがおすすめのホテルまで案内してくれて
ツインルーム1泊1000ルピー(700円)のAL-MEHMOODという宿にチェックイン。
すると共用リビングにタシュクルガンで一緒だったアメリカ人のアレンが。
あなたもここにたどり着いたのね。笑
てことで近くの食堂に遅い夕飯を食べに行き
チキンビリヤニ290ルピー(200円)をかきこんで長い長い1日は終わり。
ビザ申請から苦労を重ね11か国目・パキスタンへ入国!!!