【イラン・ヤズド①】旧市街とゾロアスター教の聖地を歩く 2019.12.7
今日はヤズドのまち歩き!
朝起きると
「朝ご飯できてるわよー」
と声がかかり朝食をいただくことに。
まるで実家の気分です。
そしてこの日はサイデーが旧市街を一緒に回ってくれることになりました。
ヤズド旧市街は干しレンガの土色の景色が広がるエリア。
サイデーと2人息子の弟のキヤン,サイデーの友人と共に歩きます。
無邪気なキヤン。
ヤズド滞在中,
一番懐いてくれました。
最初に来たのはマスジェデ・ジャーメ。
イランで最も高いメナーレがあるモスクでタイル装飾も見事。
これはガナート(地下水路)
砂漠の中のまちであるヤズド。
夏は50℃以上にもなるという過酷な環境下で古代から人が住み続けられたのは地下水脈とそれを利用するためのガナートがあったからだそうで
まちの至るところに見ることが出来ます。
もう一つ重要なのが建物の上部に煙突のように付いているバードギールという風切り塔。
ガナートがあることによって地下室から室内に冷気を取り込むことができ,代わりに熱気をバードギールから外に出す仕組み。
生きるための知恵。よく考えられています。
これは家の扉
なんですが呼び鈴が付いていて
よく見ると左右でデザインが違います。
これ左が男性,右が女性用で音の高さが違っていて
来客があったときに性別を把握できるようになっています。
これは特に女性が客を出迎える際,ヒジャブやチャドルを脱いだ状態で男性を迎えないようにするためだとか。
でもたまに両方女性用の扉も。
男子禁制??
トンネルもあったりしてどこに向かうのか,路地歩きが楽しいまちです。
これはアーシュラーというシーア派最大の祭りのときに神輿のように担いでまちを練り歩くそうです。
大きさは様々らしいですが,かなりでかいですね。
ナン屋さんを発見!
めちゃくちゃ美味しそうです。
これを伸ばして焼くんですね。
観光客向けにこんな感じのカフェもちらほらあります。
これは十二イマームの霊廟。
マシュハドで少し触れたシーア派の偉大な指導者の方々のお墓。
といってもここに遺体が安置されているわけではないそうです。
11世紀に建てられたとあって内部はかなり歴史を感じられます。
ラリハ・ハウスという昔の偉い方の邸宅。
鏡が並んでいて壁や天井に肖像画がびっしり貼ってある部屋。
ちょっとコワいです。
陶器職人さん。渋いですねぇ。
こちらは珍しい形状をした木を削って作るアート作品。
こんな感じで動物を彫ったり。
呼び方を忘れましたが岡持みたいに上下に動かす扉。
けっこう色んなところで見かけます。
と,なかなか他にはないモノがたくさんで面白いまち歩きでした。
サイデーは午後から2人息子をジムに連れていったりと予定があるそうなので
一旦お別れして
午後からは単独他のスポットへ行くことに。
ヤズドにはゾロアスター教の聖地というもう一つの顔があります。
ゾロアスター教は世界最古の宗教と言われていて
キリスト教やイスラム教にも影響を与えたという説もある歴史ある宗教。
そんな聖地のスポットに行ってみようということでまず訪れたのが
最も重要とされる寺院・アーテシュキャデ。
ここには紀元前から2000年以上燃え続けているという炎があります。
ゾロアスター教は別名「拝火教」と言われ火を神聖なものとして扱っているんですね。
建物は宗教施設にしてはシンプルな外観。
中に入ると中央にフツフツと燃える炎が見られます。
ガラス越しなので幾分迫力というか見栄えは今一つですが
これが太古から脈々と受け継がれてきた炎かと思うと異教徒でも感慨深いものがあります。
次はかつてゾロアスター教の習慣である鳥葬が行われていた沈黙の塔へ。
バスを2本乗り継いで到着です。
入場料は30000トマン(300円)ですが
チケットオフィスの建物をスルーして壁沿いをずっと歩くと途中で壁がなくなりダイレクトで塔にアクセスできます。
もちろんそんなことはしませんが。
沈黙の塔は2つの山の頂上にそれぞれ作られています。
手前にはかつて長い距離を遺体を運んできた人たちが休んでいた宿舎があります。
塔は円形になっていて中央の穴に遺体を置いていたようです。
なぜ鳥葬なのかというと
火や土を神聖視するゾロアスター教では火葬や土葬は神聖な火や土を汚すことになるということで忌避され鳥葬にいきついたんだとか。
現在鳥葬は禁止されていますがそう遠くない昔まで行われてきたらしく
世界で主流になっている宗教とは一線を画す興味深い風習です。
塔の頂上から。
もう一つの塔も見えます。
ヤズドの市街地がすぐそばまで迫っていますがかつては荒凉とした大地が広がっていたようです。
しばらく塔の上から景色を眺めて
バスを乗り継いでヤズド中心部へ。
中心部へ戻るとまだ行っていなかったバザールへ。
夜になって多くの店が閉まっていましたが3階建てで中庭もあって面白い造りです。
それからバザールの近くにあったチャクマックというモスクへ。
巨大な2本のメナーレが特徴的です。
そしてここの中央の通路は串焼き屋がずらりと並んでいます。
その中で料金が書いてある明朗会計な店に入店。
1本50円くらいからあって
内臓が多かったのでヒツジの内臓、鳥の腕、牛のBBQ串をオーダー。
これが激ウマ!!
全部合わせて300円くらいでコスパも良くて最高でした!
そしてちょうど食べ終わる頃にサイデーが車でモスクまで迎えに来てくれました。
家に帰ると世界の中でも高い評価を得るイラン産ザクロをいただいたり
子どもたちと遊んだり
これまでほぼホテルに泊まってきたので家にいる時間が一番現地の生活感を味わえて新鮮です。
明日は少し遠くにあるゾロアスター教のもうひとつの聖地へ!