【インド・コチ】トゥクトゥクとスタンプラリー 2019.7.29
朝6時。
少し夜が明るくなってきたコチに到着。
コチ周辺は地形が入り組んでいて,まちのエリアも分かれてます。
今いるのはエルナクラム(Ernakulam)という内陸部のエリア。
コチは古くから港町として有名で,植民地支配も経験しながら発展してきたまち。
そのらしさが感じられるのが,アラビア海側の半島部分にあるフォート・コーチン(Fort Cochin)とマッタンチェリー(Mattancherry)。
フォート・コーチンに向かうのに一番良いのが船。
その船の発着場がちょうどバスで降ろされたところから徒歩圏内にありました。
ラッキー。
船の発着場。現地の言葉でJettyというらしいです。
そして片道料金がなんと衝撃の4ルピー(6円)笑
チャイを下回る価格設定。
いいのかそれで!?
ぼったくられたことはあってもこんなに激安なお値段を提示されたことはなく
むしろ経営が心配になります。
たしかに,この船がなかったらかなり先にある橋を車で渡るしかなく
かなりロスになるのでこれは大きい。
地元の人もたくさん利用しているので安く,まさに市民の足という感じ。
船内は割と広くて100人くらいは乗れそう。
コチの朝日を見ながら,20分ほどでフォート・コーチンの船着場に到着!
船の時刻表を見ると結構本数がありそうです。
歩いて5分ほどで今日の宿The Lost Hostelsへ。
ドミトリー1泊250ルピー。
蚊の多さが気になるけど季節もあるから仕方ないか。
荷物を置いたらさっそく外へ。
歩いてまず目に入ってくるのは外国文化の影響。
カラフルなウォールアートとチェ・ゲバラ。
港町は外の文化に寛容なイメージがあるけど,ここコチもそういう風土なのかも。
そして緑の多さ。
大きな木々と木陰に並ぶ露店。
少し歩けばそこは海。
これはチャイニーズ・フィッシング・ネットといって
昔ポルトガル人によって伝えられたコチ独特の漁法で
網を海中に落としてロープで引き上げるというシンプルな仕組みなんですが
いかんせん仕掛けがバカでかい。
網を海中に入れる,引き上げるの作業でかなりマンパワーが必要です。
パンイチで海に入ることも必要なんです。
このデカいネットが海岸沿いにずらーーっと並んでます。
ここで素人目にふと思う。
岸辺の同じ位置に網を落とし続けて都合よく魚が取れるのか??
魚が集まるポイントはあるんだろうけど
普通そういうポイントが何箇所かあって
時期や天候とか条件みながら変えていくもんじゃないんかな。。
と疑問を目を向けてしまいますが
ちゃんと獲れてます!!
疑ってごめんなさい。
おじさんがパンイチで海に入ってるとこしか見てないのでよく分かりませんが
きっと魚を寄せるとか色んなテクニックがあるんでしょうね。
巨大なチャイニーズフィッシングネットの横でセルフネットをぶん投げてるおじさんもいました。
これでもやってるってことは獲れるんでしょうね。。
ふらっと朝食。
屋台ですすめられた蒸しパンみたいなやつ。写真は青いですが白です。
これは朝飯で初めて外した…
パサパサで味がなかった。
もう少し歩くと魚屋が並んでいます。
驚いたのは魚種がすごい多い!
日本で見る魚は大体います。
コチの前に広がるアラビア海は外海なので
基本回遊魚で獲れる種類も限られるのかなと思ってましたが
外海だけじゃなく水郷地帯といわれるコチの入り組んだ湾の中でも色々獲れるのかも。
さらに歩いていくとアラビア海沿岸に。
ここは海岸沿いに歩道やベンチが整備されていて市民の憩いの場って感じ。
この海岸を抜けたところで
一台のトゥクトゥクのおっちゃんが寄ってくる。
「コチの観光スポットをトゥクトゥクで回ってあげるよ!」
よくある客引き。
ただここからがちょっと違った。
「お金は要らない。ただ観光スポットを見た後にお土産屋に行ってほしいんだ。何も買わなくていい。見るだけでいい。それでスタンプが貰えるんだ!」
どうやらコチの観光客向けドライバーは現地の土産屋に客を連れていくとスタンプを貰えてそれを何かと交換できるらしい。
「君は観光できる。僕はスタンプをGETできる。君も僕もハッピーだ!」
タダほど怖いものはないからすごい警戒してたけど
このおっちゃんゴリ押しがすごくて
「ご飯も奢る。飲み物も買ってあげる。本当にお金は要らないんだ!」
「もう5日も客がいないんだ!」
「妻と子どもが家で待ってるんだ!」
見ると全身汗だくになってきてる。
その必死さが伝わってきたので,よく分からないプランに乗ってみることにします。笑
彼の名はノゥシ。
トゥクトゥクに乗った後も
取り憑かれたみたいに
「You are happy, I'm happy!!!」
と連呼してる。
「車体番号を撮っといていい。」
「終わるまで僕のライセンスカードを持ってていい。」
と何が何でも信用を得て逃したくない様子。
スタンプの力すごいな。笑
最初に向かったのはSt.Francis church
大航海時代にインドに到達し,コチで死んだヴァスコ・ダ・ガマの墓があります。
教会の中はシンプルな造り。
床に囲いがしてあるここがお墓。
このシンプルさが逆に雰囲気を醸し出しています。
SANTA CRUZ HIGHER SECONDARY SCHOOL
コチで1番歴史のある学校らしく
隣には立派な教会も。
植民地時代の面影を強く感じます。
大量の塩が供えられたヒンドゥーのお寺。
茶色いのはマサラ。
他にも色んなスパイスを供えるらしい。
走ってる途中に
ここはムスリムが住むエリア,ここはキリシタンのエリア,ヒンディーのエリアと教えてくれて
でも宗教の違いは関係ない。
みんな同じまちに暮らしているんだ。
と言うノゥシ。
港町として古くから外の文化が入ってきていたコチは,どんな人も受け入れてくれる寛容さのあるまちなのかも。
ここはDHOBY KHANA。
400年以上の歴史を持つ洗濯場。
使われてるものが既に400年くらい歴史がありそうな年季の入ったものばかり。
1人ずつ区分けされた作業場
洗濯物を叩く音と
時折聞こえる「ハッ」という気合いを入れる声
広い敷地にはためく洗濯物
洗濯屋というのがこんなにも職業として確立されているのを感じられる場所はなかなかなかなさそう。
その後も
ジンジャーファクトリー
マッタンチェリー宮殿という今は博物館の宮殿
などなどコチの見どころを巡る。
大盛りライスにカレーや漬物などおかずが付いてくる。
この辺のミールスは米粒が大きいのが特徴みたい。
カレーの味は普通だったけど,一緒に出てきた貝の佃煮みたいなやつや小魚の揚げ物が美味い。
そしてあんまり期待してなかったけど,ノゥシ本当に昼飯おごってくれた。笑
途中,ちょっと寄ってこう,とノゥシの家へ通される。
奥さんと娘さんと3人暮らしで
本当は猫が1匹いたらしいんだけど3日前に何者かに攫われたらしい。
その話が出ると急にみんな涙目。
しんみりした雰囲気に。
待って待って。
感情が追いつかない汗
きっと帰ってくるとか無責任なこと言えないので一緒にしんみり。
悲しい出来事ではあるけど
家族を大切にするインド人の温かさを感じました。
そしてここで気になったスタンプのことを聞いてみる。
「スタンプを集めたら何がもらえるの?」
「米だ!!」
米?!
RICE?!
なるほど文字どおりそれでメシ食ってると。
え?現金収入はどうしてるの?
「違う違う。米を手に入れて売るんだ。」
あ、米は食べるんじゃなくて売ってお金にするんだ。
そりゃ必死になるわけだ。
嬉しそうに見せてくれたお米。
スタンプ1個で1kgの米がもらえるらしい。
ちなみにいくつかスポットを巡った様子を書きましたが
その間,何箇所も土産屋に連れてかれました。
だいたいシルク,ジュエリー,民芸品の類でぼったくり感満載。
ノゥシ的には客が何も買わなくてもスタンプ貰えるので
全部本音ベースで
「超高いから買わなくていいよ。5分見たら出ておいで。」
1店舗にかける時間が少ない方が何箇所も回れてスタンプも集められるから
やたら見るだけ!5分!と言ってくる。笑
ただ店側は違う。
買う気のない客に
「お前何しに来たんだ?!何も買わないのか?」
という不満気な感じがヒシヒシ伝わってくる。苦笑
しかし当然何も買いません。
こうして土産屋→スポット→土産屋
のトゥクトゥクツアーは終了。
最後にノゥシと。
スタンプ10個手に笑顔で帰っていきました。
この観光施策にどこまでの効果があるのか疑問だけど
なかなかない面白い体験でした。
その後また海沿いへ。
チャイニーズフィッシングネットの近くでは
魚が水揚げされてセリが行われてました。
特に多かったのがマグロ。
マグロは大衆魚でよく食べるみたいです。
少し小ぶりなのもありますが
1本5000〜6000ルピー(約7500円〜900
0円)で取引されてるみたいで
日本からすると安い?
インド価格でいうと割と高い?
感じがします。
夕暮れ時。
チャイニーズフィッシングネット越しに沈む夕日。
港町の風情があります。
夕飯はせっかくだから海鮮いきたい!
てことで魚屋でオススメされたタイ(?)とエビをレストランで調理してもらいます。
タイは調理代込みで500ルピー。
エビは350ルピー。
たぶんめっちゃふっかけられてるけど,観光客相手なので値下げの度合いも知れてます。
で,出てきたのが
タイのバナナリーフ包み焼き!
とエビのバターガーリック焼き!
美味くないわけない!!!
バナナリーフのふわっと甘い香りと白身のタイのスパイシーな味付けが絶妙。
エビの方は生中が欲しくなるやつ。笑
コチは独特の観光スタイル(笑)と,大好きな海や漁師の暮らしに触れることができて,インドの旅の中では新鮮でした。